2022年11月25日(金) 古典文学講座第3講(最終)。

11月25日は古典文学講座の最終回。平城京の三山について学びました。
 奈良市民である私は逆に深く考えてなかったというのが正直なところ。
結論は春日山(三笠山・御蓋山)、奈良山、生駒山です。
 その三山について万葉集や古事記などの関係あるところを具体例として学びました。特に心に残ったのは万葉集巻6 1047番の一節「・・・春にしなれば、春日山、御笠の野辺に、桜花、木の暗隠り、貌鳥は、間なくしば鳴く、露霜の、秋さり来れば、生駒山、飛火が岳に、萩の枝を、しがらみ散らし、さを鹿は、妻呼び響む・・・」です。この節のポイントは春日山と生駒山だけでなく、春と秋、桜と萩、鳥と鹿を対句とし、歌の格調をあげているとのこと。三山の話とともに古典文学の粋を実感できました。
 奈良在住だからこそ楽しむことができた古典文学講座でした。


中川明日佳講師。

テキスト。

1047番歌の骨子。

春日山、三笠山・御蓋山、若草山の関係。

2022年10月28日(金) 古典文学講座第2講。

 古典文学講座、第2講「三山~藤原京」を受講しました。
大和三山とは藤原京を中心として、東に香具山、北に耳成山、西に畝傍山と三角形に配置された山で都を守るという意味でも古代から重視された山です。
その三山をテーマにした万葉集や古事記について学びました。
面白かったのは香具山が畝傍を耳成と争ったという万葉集にある中大兄皇子の歌です。

「香具山は 畝傍雄雄しと 耳梨と 相争ひき 神代より かくにあるらし 古へも 然にあれこそ うつせみも 妻を 争ふらしき」。「

雄雄し」との解釈が分かれるので断定はできないのですが、講師は額田王は大海人皇子(天武)に嫁いだ後、中大兄皇子(天智)に嫁いだという事実から、額田王が大海人皇子の香具山=中大兄皇子、畝傍=額田王、耳成=大海人皇子ではないかと。この歌は現在も三角関係だという説と座興の歌だという説が戦わされているとか。大和三山に責任はないのですが(笑)。

 

中川明日佳講師。

解釈が難しい部分。

藤原京から見た香具山。天皇がこの山から国見をするなど格付けは最も高かった。わかくさ歩こう会での写真。

ホテイアオイの群生越しの畝傍山。神武天皇が政治を行った場所ということで二番目の格付けとか。わかくさ歩こう会での写真。

桜と菜の花越しの耳成山。格付けは低いが存在感はあります。さるく会での写真。

 

 

2022年9月30日(金) 古典文学講座第一講。

 今日は奈良市生涯学習センターの古典文学講座に行ってきました。奈良の山をテーマにした古事記や日本書紀、万葉集の講座で月一、3か月連続で300円というコスパ最高の学びです。
 第一講は三輪山。古事記の崇神天皇条です。疫病がはやった折、天皇の夢枕に「大物主大神を三輪山に意冨多々泥古(おおたたねこ)を祭主として祀ること。」と言った。その通りにすると国家は平安になったという内容です。
さらに万葉集では額田王(ぬかたのおおきみ)が飛鳥から近江に下った時に作った歌。長年住んだ奈良を離れるとき、三輪山を見てしまう郷愁の歌です。。
 三輪山(大神神社)は初詣、歩こう会、知人案内など何回も訪ねているところ。講師の話が目に見えるようでした。
 3年ぶりの古典文学講座。奈良在住者の贅沢を実感した講座でした。